ドイツ語とドイツにまつわるお話

ドイツ語スカイプレッスンのネアグロッサのブログです。 ドイツ語とドイツに興味がある方に、様々な情報を発信。

Mai 2016

Völkermord oder nicht? Der Streit um die Armenien-Resolution

「連邦議会は法廷ではない!」とのプラカードを掲げてデモするトルコ人団体


ドイツの連邦議会は6月2日、1世紀前に起きたアルメニア人虐殺への連帯責任を認める決議を行います。

与党連合、社民党 (SPD)、緑の党とともに決議を行い、大量殺戮と認定する方針です。


1915年、オスマン帝国軍によってアルメニア人が約150万人も殺害されたという事件。

トルコとアルメニアでは今でも見解が食い違い、共通の認識が成立していません。

なぜドイツの議会ではアルメニア人虐殺の連帯責任が決議されるのでしょうか。

まずは、これまでの流れを見ていきます。

事件から100年を迎えた15年4月、ガウク大統領は追悼演説でドイツの責任に始めて明確に言及しました。Völkermord「ジェノサイド(集団虐殺)」という言葉を使ったのです。
大統領によると、当時のドイツ帝国はオスマン帝国の同盟国として兵士を派遣しており、残虐行為に加担していたといいます。

政党間でも大量虐殺であるとの合意に達し、15年秋には、CDU、SPD、緑の党は共同の決議を出すことで一致していました。

しかし、ここにきて難民問題が先鋭化。難民問題を解決するにはトルコの協力が必須です。メルケル首相はトルコを非難することになるアルメニア人虐殺決議を出し、トルコのエルドアン大統領を刺激したくありません。動議は凍結となりました。


このような状態で、緑の党が今年に入り、再び動議を提出しました。


連立政府は難民問題の協議前にトルコとの関係を悪化させたくないため、緑の党の動議の提出時期を批判しました。


こんな感じで、常にトルコの顔色を伺いながら計画されてきた虐殺決議ですが、連邦議会での決議が6月2日に決定しました。

しかし、連邦議員の多くがトルコやアルメニアの団体から圧力を受けているそうです。


トルコ人団体はドイツとトルコの平和的共生を脅かすと訴えています。


アルメニア側からは、トルコの圧力に屈するなとの1万通のメールが連邦議会に届きました。


トルコ人団体は28日に6月2日の決議に対してベルリンでデモ行進を行いました。ドイツ政府がアルメニア人の殺害を「大量殺戮」と認定することに対して抗議したのです。


SPDの移民委員 Özoğuz氏は、連邦議会の決議は間違っていると批判しています。大量殺戮と認定されても、自動的にトルコで過去の反省が行われるわけではないというのが理由です。


トルコ人団体は長らく連邦議会の決議を妨げようとしてきました。トルコ政府も今日まで、100年前の虐殺は大量殺戮ではないと主張しています。


トルコ大統領の報道官は、証拠の提出なしに大量虐殺との非難を広めることは政治的悪用に匹敵すると批判しています。


決議案には、大量殺戮、民族浄化という言葉が使われています。動議の理由としては、多くの歴史家が大量殺戮と認定していることを挙げています。


動議の中からの抜粋です。


Gedacht werden soll der Opfer der Deportationen und Massaker im Osmanischen

Reich während des Ersten Weltkriegs 1915/1916, die zur fast vollständigen Vernichtung

der armenischen Bevölkerung in Anatolien geführt haben. Nach wissenschaftlichen

Schätzungen fielen den Verbrechen bis zu 1,5 Millionen Menschen

zum Opfer.

Die Antragsteller bewerten die von der Regierung des Osmanischen Reichs systematisch

geplante und organisierte Vernichtung der armenischen Bevölkerung

als Völkermord nach der UN-Konvention über die Bestrafung und Verhütung des

Völkermords von 1948.

対象者は1915~16年の第一次世界大戦中、オスマン帝国での国外追放と虐殺の犠牲者である。これにより、アナトリアではアルメニア人のほぼ完全な根絶につながった。学術的推定によれば、犠牲者の数は最大で150万人に上る。
申請者は1948年の国連による「集団殺害罪の防止および処罰に関する条約」に従い、オスマン帝国政府による計画的かつ組織的なアルメニア民族の根絶を大量殺戮と認定する。

Mit dem Antrag soll die Bundesregierung unter anderem aufgefordert werden,

sich vorbehaltlos zur historischen Mitverantwortung des Deutschen Reichs am

Völkermord zu bekennen;

この動議により、連邦政府はドイツ帝国の大量殺戮への歴史的連帯責任を無条件に認めることが要請されている。


...der Türkei und Armenien bei der Aufarbeitung, Aussöhnung und Normalisierung der zwischenstaatlichen Beziehungen, u. a. durch finanzielle Unterstützung an die Türkei

zwecks Errichtung beispielsweise einer türkisch-armenischen Versöhnungsstiftung,

Hilfe zu leisten;

(また、次のことも要請されている)トルコとアルメニアが過去と取り組み、和解し、二国間関係が正常化するために、とりわけトルコに資金援助をして、例えばトルコ・アルメニア和解基金を設立する。

16年3月の決議案より

http://dip21.bundestag.de/dip21/btd/18/079/1807909.pdf



トルコの反発は必死だと思いますが、この決議でトルコとの関係がどうなるか、注目したいです。


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きょうはオーストリアの話題を。

オーストリアもドイツと同様、難民問題で揺れています。

先月末に行われた大統領選では、移民ストップを訴える極右・自由党のホーファー氏が得票率でトップとなりました。歴史的に移民に寛容だったオーストリアにも変化が起きているとして、注目を集めています。

FPÖ-Kandidat Norbert Hofer
選挙での勝利に笑顔をみせるホーファー氏


2位の左派・緑の党出身候補、ファンデアベレン氏とともに、5月22日の決選投票に進みます。

世論調査では、ホーファー氏の人気がやや上回っているようですが、ファンデアベレン氏を支持する人々も多いため、結果はまだわかりません。

二人の人物像について、見ていきましょう。

Portraitfoto von Norbert Hofer

ノルベルト・ホーファー氏


1971年3月2日オーストリア東部フォーラウ生まれ。飛行技術を学び、91年~94年まで航空機のシステムエンジニアとして勤務。94年にブルゲンラント州で自由党の選挙運動に携わったことで政界に入り、06年に代議士となる。


老人介護ヘルパーの妻と14年前に再婚し、4人のこどもと暮らす。大統領選への立候補を何週間も迷っていた夫に立候補を勧めたのは妻だった。当初、妻の両親は自由党員であるホーファー氏を受け入れなかったが、いまではホーファー氏がタイヤを交換したり、髪を切ったり、トイレを修理したりして関係がよくなった。家庭では政治の話はあえてしない。


2003年8月にパラグライダーで15メートル上空から落下する事故で重症を負う。リハビリ中のその4年後、足の裏に重度の火傷を負って足切断の危機に遭う。事故後、障害者政策に取り組み、障害者団体の会員となる。環境問題も重要な政治的テーマ。




(右)アレクサンダー・ファンデアベレン氏


1944年1月18日ウィーン生まれ。母はエストニア人、父はオランダ系ロシア人。ソ連からの度重なる逃亡後、オーストリアのウィーンとチロル地方に居住する。


インスブルックでギムナジウムに通う。アメリカの探偵小説に熱中した。大学では経済学を専攻し、1970年に博士号取得。75年に財政学で大学教授資格試験合格。インスブルック大学客員教授、80年からはウィーン大学で経済学の正規教授を務めた。90~94年はウィーン大学社会経済学部学長(または副学長)。


政治家で尊敬する人はジョン・F・ケネディ、ブルーノ・クライスキー(オーストリア初のユダヤ人首相)、ネルソン・マンデラ。


70年代半ばに社民党に入るが、環境問題と人権が政治の中心テーマとなり、緑の党に移った。97年の新聞が伝えているところによると、「黒いタートルネックのセーター、いつも無精ひげで、自分に自信をもっているが決して傲慢ではない」。



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