環境先進国といわれるドイツですが、実は、プラスチック包装のゴミの量は増えています。


連邦環境省発表の1993年~2013年までの推移表を見ると、リサイクル率は上がっているものの、プラスチックゴミの量そのものは、減っている年もあるものの、傾向としてはうなぎ登りです。


ドイツ環境保護(DUH)の専門家によると、「ドイツはプラスチックゴミの欧州チャンピオン。どこでも、プラスチックを止めることができそうなら、そうするべきだ」と語っています。ドイツでは、一人当たり年間213キロのプラスチックゴミを消費しています。


プラスチック包装はなぜよくないのでしょうか。

今、危機的な問題となっているのは海洋ゴミです。


海のゴミの4分の3はプラスチックなのです。

マイクロプラスチックから、ビニール袋、ペットボトル、数キロメートルにおよぶ漁網などが海中を漂っています。



Eine schwimmende Müllinsel im Ozean


プラスチックは300~450年経っても残るため、海洋環境には大変な危険となっています。

50~70%が海底に沈みますが、それ以外は海岸に打ち上げられるだけでなく、北極・南極地方から深海にまで及んでいます。


プラスチックが原因で毎年世界で100万羽の鳥と10万頭の海洋哺乳類が死んでいます。

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動物たちはプラスチックゴミに絡まったり、プラスチックを食物と間違えてしまうのです。

Robbe im Netz - Foto: Ecomare/S. de Wolf


5ミリ以下のマイクロプラスチックは小さすぎるために汚水処理場で処理しきれず、外の環境に流れます。

化粧品や洗剤に入っているマイクロプラスチックは有害物質を吸い込み、それを海の生物が食べて体内に取り込んでしまいます。


Mikroplastik aus Kosmetikprodukten auf Finger; Foto: Stephan Glinka



このマイクロプラスチックがドイツの海岸や川を汚染しています。従来考えられていたよりも有害で、部分的には発がん性のある物資を含んでいることがハンブルクの大学の研究でわかりました。


研究者によると、「有害物質を環境に放出したら自然がなんとか処理してくれると考えるのは誤り。プラスチックが水に長く留まるほど、より多くの毒素を結びつけ、毒のカクテルのようなものを作り出す」といいます。


こういう状況の中で、脱プラスチックを目指し、包装しない商品を売るお店がドイツではじわじわと広がっています。


スーパー大手のレーヴェが、先陣を切ってビニール袋を廃止しました。

これにより、年約1億4000万枚のビニール袋を減らせるといいます。

ただ、ドイツでは毎年約60億万枚のビニール袋が使われているため、一部分にすぎませんが、でも大事なステップです。


ドイツ小売業連盟(HDE) と環境省は年初に、ドイツのプラスチック消費を減らすために、約300の企業とプラスチックを有料とする合意を結びました。


ドイツ環境保護(DUH)担当者は「ビニール袋の生産は環境に甚大な害を与える。CO2が排出され、化石燃料が消費される」と訴えます。


企業は「今後2年間で小売業のビニール袋の8割を有料とする」と決めました。

スーパーやドラッグストアがプラスチック袋を有料化しています。

顧客の大部分が賛成と受入れを表明しています。みんな、プラスチックを良いと思っていなかったのですね。

お店は、ビニールの代わりに有機コットンやジュート、ダンボールや紙からリサイクルしたバッグを提供します。


服飾・靴業界では実践が難しいといわれていますが、デパート大手のカールシュタットは、3月からプラスチック袋を有料化しました。

企業にとっては持続可能性の良いアピールとなります。


ドイツ小売業連盟(HDE) 担当者は「プラスチック袋はわれわれの消費社会の象徴となった」「だから企業はプラスチック袋を止めることで抜本的な考えの変化を支えることに強い興味をもっている」と語っています。


社会には脱プラスチックを実践する動きが強まっています。


包装をしないことを決めている小さなスーパーが続々と開店しているのです。野菜や果物、米、麺、オリーブオイル、洗剤などが包装されずに売られています。客は自分で袋や容器を持参するか、お店が提供する、何度も使える容器を利用します。


14年にベルリンに開店した包装をしないスーパー、“Original Unverpackt“ が人気を集めています。エコロジカルな考えが共鳴を呼び、二人の女性店長はクラウドファンディングにより、数週間で10万ユーロ以上の開店資金を集めたことで世界的に有名になりました。


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スーパーのレーヴェよりも先を行っています。包装なしのアイデアを広めるため、毎月、他都市でセミナーを開催。包装をしない店は全国で10店舗に増えました。


店長のMilena Glimbovskiさんは、格安スーパーよりも販売は手間がかかるが、普通のスーパーやビオスーパーよりも価格を抑えられると胸を張っています。9人の従業員には最低賃金以上の賃金を支払えているそうです。


ベルリン郊外からの需要があることからオンラインでの販売を計画しているとのこと。梱包材は、店に余っている素材を再利用します。ベルリンに実店舗を増やすことも計画中です。


なぜ脱プラスチックの店がトレンドになっているのでしょうか。


それは、認証を受けているか、地元産かなど、食品の質にこだわる消費者が増えているからです。バランスのとれた食事への意識から、ヴィーガンなど様々な食事法が生まれています。そして、健康を気にするだけではなく、食料品の包装ゴミがでないよう気を配る人が増えているのです。


市場調査結果によると、7割以上の人がなるべく包装の少ない商品に意識を向けているそうです。ほぼすべての人が、多くの商店がビニール袋を止めているのは良いと考えているとのこと。


脱プラスチックの動きは、今後も加速していくことでしょう。


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